吒枳尼眞天とは

二十四節気
〜季節を感じるこの一句

文・浦川聡子

おそるべき
君等の乳房
きた

西東さいとう三鬼さんき

五月五日は立夏です。春が終わり、暦の上ではこの日から夏となります。木々は緑となり、万物が明るく輝きはじめます。俳句では、「夏立つ」「夏にる」「夏きたる」などを「立夏」の季語として詠みます。

掲出句は、戦後まもなく詠まれた句。これまでの価値観が大きく変わり、女性たちも自由に街を闊歩するようになりました。
薄いブラウスを着て堂々と胸を張って歩く女性たちに、作者は圧倒され、眩しさをおぼえたのでしょう。女性がこれからどんどん社会へ出てゆく時代の到来を予感。躍動感に満ちた、時代を反映した一句です。

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