吒枳尼眞天とは

二十四節気
〜季節を感じるこの一句

文・浦川聡子

うぐひすの

鳴くやちひさき

口明けて

 与謝よさ蕪村ぶそん

 2月18日は雨水です。降る雪が雨に変わり、積もっていた雪や氷が解けて水となるという意味の言葉です。まだまだ雪が積もっている地方もありますが、これからはしだいに雪も解けていくことでしょう。

 前回、春を告げる花として梅「はるつげぐさ」の話をしましたが、同様に鶯は、春を告げる鳥として「はるつげどり」との呼び名があります。

 掲出句、可愛い鶯が小さな口を開けて、「春が来たよ」と一生懸命鳴いているのです。
「うぐひす」「ちひさき」の旧かな表記が、一句にやわらかな響きを与えているようです。

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