吒枳尼眞天とは

二十四節気
〜季節を感じるこの一句

文・浦川聡子

草花を
描く日課や
秋に

正岡まさおか子規しき

8月7日は立秋です。厳しい暑さが続いていますが、暦の上ではこの日から秋になります。空を見上げると、これまでとは違った気配が感じられるでしょう。立秋を機に、暑さも「残暑」と呼ばれるようになります。
掲出句、カリエスとなった子規は、死期が迫るなか麻痺剤を服用しつつ「果物帖」「草花帖」と、果物や草花の写生画(水彩画)を描いていました。子規は草花の一枝を通して宇宙をも感じていたのでしょうか。「草花の一枝を枕元に置いて、それを正直に写生して居ると、ぞうの秘密が段々分かって来るような気がする」とは、新聞連載「病牀六尺」8月7日の一文です。

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