二十四節気
〜季節を感じるこの一句
〜季節を感じるこの一句
紫陽花や
白よりいでし
浅みどり
渡辺水巴
6月5日は「芒種」です。「芒種」の「芒」は「のぎ」と読み、稲や麦などイネ科の植物の実の外殻にある針のようなもの。芒のある穀物を植える時期の意味で、この頃から田植えが始まりました。
さて、6月になると、紫陽花が咲き始めます。紫陽花は時間とともに色合いが変わることから「七変化」とも呼ばれます。
掲出句は、純白から青みがかっていく紫陽花の様子を鋭い観察眼で捉え、平明な言葉で言い留めました。作者の渡辺水巴は、日本画家の渡辺省亭を父に持ち、絵画的な美しい作品を数多くのこしています。
撮影:大橋弘