吒枳尼眞天とは

二十四節気
〜季節を感じるこの一句

文・浦川聡子

そよろこべば
しきりに落つる
木の実かな

富安風生とみやすふうせい

十月八日は寒露です。「冷気が満ちて草木に冷たい露が宿る頃」の意。秋はどんどん深まっていきます。季節区分はすでに「晩秋」。二十四節気においても、次回「霜降」の次は「立冬」になります。
掲出句は、童話のワンシーンをイメージしました。団栗の下には子供たちが遊んでいて、木の実が落ちて転がると、子供たちはよろこんで拾うのです。そうすると木のほうも嬉しくなって、さらに木の実を降らせてあげるのです。読み手の私たちも思わずしあわせな気持ちになってくる、慈愛にあふれた一句です。

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