二十四節気
〜季節を感じるこの一句
〜季節を感じるこの一句
この樹登らば
鬼女となるべし
夕紅葉
三橋鷹女
十月二十三日は霜降です。気温がさらに下がり、霜が降りる頃の意味。標高の高い山では、平地よりも一段と気温が下がっています。紅葉も標高の高いところ、北の方から色づきはじめます。
掲出句、紅葉が夕陽に映えて、真っ赤に染まっています。おそろしいほど美しい紅葉のこの樹を登って行ったら、自分も「鬼女紅葉伝説」(能の演目「紅葉狩」としても有名)にある鬼女になるに違いない、、。鬼気迫る一句です。上五をあえて字余りにしたことで、かえって凄みが増しています。