二十四節気
〜季節を感じるこの一句
〜季節を感じるこの一句
露の世は
露の世ながら
さりながら
小林一茶
9月7日は白露です。「陰気ようやく重なり、露凝って白し」に由来し、大気が冷えてきて露が結ぶ頃のこと。処暑から約十五日、この頃から仲秋となります。
「白露(はくろ)」は二十四節気の一つで、歳時記では「時候」の項目に分類されますが、
「白露(しらつゆ)」は白く光って見える露、または露の美称のことで、「天文」の項目に分類されています。
ようやく秋らしい気配が感じられはじめます。
掲出句、一茶は五十七歳のとき、長女・さとを授かります。そしてこよなく愛していた娘が、わずか一年余りで亡くなってしまうのです。「この世は露のようにはかないものだということは分かってはいるけれど、そうであるけれども、、」と、下五の「さりながら」に一茶の深い悲しみとやるせない思いが込められています。