吒枳尼眞天とは

二十四節気
〜季節を感じるこの一句

文・浦川聡子

海に出て
木枯帰る
ところなし

山口誓子せいし

十一月二十二日は小雪です。北国では初雪が見られる頃。木々は葉を落とし、風景も冬らしくなっていきます。

「木枯」は冬のはじめに吹く北西の季節風。「木枯」と書くように、木を枯らすほど強く吹きすさぶことからこのように呼ばれます。

掲出句、一度海に出た木枯はもう二度と帰るところがないという。何か暗喩的にも思われ、作者の心の中にも荒涼とした風が吹いているように感じられるのです。

この記事をシェアする